SEOでカニバリ(カニバリゼーション)が発生した時の対処法

今回は、SEOに置いて重要な問題の一つ、「カニバリ(カニバリゼーション)」について詳しく解説していきます。
狙っているキーワードで上げたい記事とは別の記事がランクインして、上位獲得できず困っている方はぜひ参考にしてみてください。

これを知らないと、狙っているキーワードでずっと意図しない記事が中途半端な位置に残ります。
記事2つともが無駄になるということは、予算を溶かしてしまいますよね。

なお、カニバリを含め、「記事を大量に作ったものの管理できていない…、どうにかしたい」という方はアネマにご相談ください。

「社会をドライブさせる事業創造の右腕」というミッションに共感する、クライアントファーストの仲間たちが2024年最新のSEOノウハウとともに課題解決のお力になります。
» 1時間無料相談を申し込む

また、動画版もご用意していますので、テキストと動画、お好きな方でご活用いただければと思います。

目次

「カニバリ(カニバリゼーション)」とは

SEOにおいて「カニバリ」とは、正確には「カニバリゼーション」と言い、「重複」を示す言葉のことです。
サイト内のいくつかのページが、同じキーワードで検索上位を争ってしまう(食い合う、カニバリする)状態のことを指します。

例えば、歴史のサイトを運営していて、[フランス革命]という1語のキーワードを狙っていたとします。
[フランス革命とは]という記事が本来あげたかった1語用のキーワードだったのに、[フランスがヨーロッパに与えた影響]というような別の記事が上位に上がってしまうようなケースです。

これが起きてしまうと、[フランスがヨーロッパに与えた影響]では、[フランス革命]の1語で求められるような定義系や出来事の全体像を把握できるような検索意図に答えづらくなるので、結局検索上位を取りづらくなります。

また、[フランス革命とは]と[フランスがヨーロッパに与えた影響]の2語が数週間〜1ヶ月単位でコロコロと[フランス革命]で上がるキーワードとして入れ替わってしまうというケースも起こります。

例えば、先月は[フランス革命]で[フランス革命とは]がより上位にあがってくれていたのに、今週は[フランスがヨーロッパに与えた影響]が上位に上がってしまうようなイメージです。

これは例で言っているので、実際に[フランス革命]でこのカニバリが発生するわけではないのですが、各ジャンルでこのような意図しない記事があげたかった記事の上位表示を阻むということは発生します。

こちらとしては、上位表示させるつもりの記事が上位表示できませんし、ユーザーとしてもほしい情報が検索結果から得られないので、いいことがない状態です。

これがカニバリという問題です。

「カニバリ」の発生原因と対処法

カニバリは2種類あります。

1.SEOに詳しくない担当者が起こしてしまうカニバリ
2.SEOに詳しい人でも起こしてしまうカニバリ

1.SEOに詳しくない担当者が起こしてしまうカニバリとその対処法

これは、完全に同じ検索意図の同じキーワードに対して、2本記事をつくってしまうことで発生します。

SEOでは、「1キーワード1記事」の原則があります。
経験のある人が「このキーワードとこのキーワードは一緒に対策できそうだ」とまとめて1記事で狙ったりはします。

が、初心者の方は1キーワードの検索意図に答える記事を一度つくったら、次はもう作らないのがベストです。
そうすればカニバリしません。

何を書くのか、何を書いたのか、ずっと覚えていられる人はいません。

まず「何を書くのか」という観点で、キーワード選定をはじめにきっちりとやる。
自社のドメインで勝てる見込みのあるキーワードをリストアップしておくのがまず大事です。

当社(アネマ)が運営しているYouTubeチャンネルで過去に解説している、「予算を溶かさないキーワード選定のやり方」動画を見てください。アネマに無料の1時間相談していただいても構いません。

次に、「何を書いたのか」覚えておくために「キーワード順位チェックツール」を使ってください。
これで、「過去に執筆したキーワードで今何位にいるのか?」が追えるようになります。

そうすれば、同じキーワードで2回書いてしまうことも避けられるでしょう。

2回目に書きたくなった場合は、過去記事にリライトで追記します。

もし完全にすべて書き直したくなったら、古い記事から新しい記事にリダイレクトを設定しましょう。
そうすると、古い記事が得ていた被リンク・内部リンクを残したまま、新しい記事だけ読んでもらえます。

URLを書き換えて、新しい記事でURLを使い回し、古い記事を削除するというやり方でも大丈夫です(この場合は、中身的には全文リライトしたことになります)。

あと補足として触れておきたいのは、広告用につくったはずのLPがブログとカニバってしまうケースです。
これは、広告用のLPでSEOでも上位獲得する目的でないならば、LPはnoindexにしてしまって構いません。

2.SEOに詳しい人でも起こしてしまうカニバリとその対処法

こちらは、主にビッグキーワード(検索ボリュームの多いキーワード)を狙っているときに発生しやすいです。

特に「トピッククラスター」という手法を使用している場合に起こりやすいです。

トピッククラスターとは、メインのキーワードを中心に、関連するサブトピックの記事を作成し、それらを内部リンクで結びつける手法です。メイン記事で扱いきれない詳細のトピックを詳細記事にまとめます。

メイン記事(ピラー)でビックキーワード(1語)を、詳細記事(クラスター)でロングテール(2語・3語)を狙います。

親記事(ピラー)を上げるために、細かいサジェスト・サブキーワードで子記事(クラスター)をつくり、子記事から親記事に内部リンクを貼ります。

そうすることで、親記事がサイト内で重要なページであることを検索エンジンに伝え、親記事がビックキーワードで上位獲得できることにつなげようとする手法のことです。

本来はこのトピッククラスターも、カニバリ防止のためのサイト構造として導入されました。

ですが、これがカニバリの原因になることがあります。
メディア担当者的には、ちゃんと分けているつもりでも、Google側が勘違いします。

[フランス革命]というキーワードを狙った場合、

  • 親記事・ピラー:[フランス革命]
  • 子記事・クラスター:[フランス革命 ナポレオン]や[フランス革命 実現できなかったこと] など

トピッククラスターの教科書的な理論だと、クラスターからピラーに内部リンクを貼ることで、ピラーの評価が高まり、ピラーが上がりやすくなるはずです。

しかし、実際に僕が上場企業のいくつかのドメイン含むメディアで運営してきて、そうならないことがありました。

分かりやすくいうと、[フランス革命 ナポレオン]から[フランス革命とは]に内部リンクすることで、[フランス革命とは]が[フランス革命]一語で上がるはずなのですが、なぜか[フランス革命 ナポレオン]の方が自社ドメインの中で相対的上位に来てしまうようなイメージです。

このような状態が発生した時、まずやるべきなのは上げたくない記事の本文のリライトです。

だいたいこのような時は、上げたかった方が「〜〜とは」のような1語キーワード、上がってしまった方が2語キーワードだと思います。

2語の方で、「〜とは」と定義系と誤解されやすいタイトル、ディスクリプション、見出しのチューニングをして、該当部分を削除していきます。

具体的には、「〜とは」を「〜の定義」や「〜について」に変えたり、「〜とは、〜です」という定義解説っぽい言い回しをぼかしたり、それでも効かない場合は定義系の説明を削除してしまうと効果的です。

各記事の差別化をより大きくし、内容の重複を削るという対応です。
まずはこの対応で1ヶ月ほど様子を見ます。

これで、検索結果ページ(SERPs)上のディスクリプションにも「とは」のようなキーワードが消えてカニバリが解消されたら成功です。

それでもまだカニバリを解消できないこともありました。

そのようなときは、本来はテキストリンクでリンク先ページの内容・キーワードをGoogleのクローラー(内容を読み取るbot)に伝えたいのでそうしたくないのですが、内部リンクに含まれるテキストリンクの「〜とは」みたいな、定義系に該当する部分も削除してしまいます。

定義のボカシをやっても効かず、内部リンクのテキストリンクの記載だけで引っかかってしまう場合は、「こちら」とかにテキストリンクの表現を変えるということです。
これらの対策を実施した後、数ヶ月様子を見ます。

これが完了して、また1ヶ月くらいした後に、また別の記事がカニバリで上がってきてしまっていないか、自分たちがあげたかった記事が上位に上がっているかを確認します。

このように時間をかけながらコツコツ続けるとカニバリ解消できることが多いです。

余談:トピッククラスターの目的と効果について

なお、話はそれますが、過去の自分を含めてトピッククラスターの目的を勘違いしているケースがあるので、軽くここで触れます。。

SEOを解説しているコンテンツを見ていると、「トピッククラスターを構築すると上位表示できる!」みたいな発信が多いのですが、これには違和感があります。

トピッククラスターは元々2017年にHubspotが導入し、効果を提唱したことで広まったのがきっかけです。

Hubspotでは、一つの検索キーワードに対して一つの記事を作り、これが暴対な数に至っていたために、カニバリが多く発生していました。

カニバリ解消として、サイト構造がシンプルになるトピッククラスターモデルを導入し、食いあっていたキーワードが解消され、それぞれの記事の順位が高まりました。

実際に、Googleはサイト評価に各ページをベクトル化(コンピュータに理解しやすい数字)に変換し、その距離の短さを測ることで関連度合いを測っています。

これが特化ページの方がSEOに強いとされるゆえんですが、内部リンクによってユーザー行動が向上し、これでSEOにポジティブな影響があると言えます。

あくまでこういう考え方ですので、「むやみにトピクラを作ればSEOで勝てる」と考えるのはナンセンスです。

先述のように、カニバリ防止のためのトピッククラスターでむしろカニバリが発生してしまうことだってあります。

カニバリの特定方法

最後に、カニバリの見つけ方について説明します。

([狙っているキーワード) site:(ドメイン名)]で検索

一つずつですが、簡単に見つけられるのが、([狙っているキーワード) site:(ドメイン名)]で検索する方法です。

これで、一番上にあげたい記事が来ない場合は、カニバリが発生している可能性があります。

検索順位チェックツールを使う方法

2つ目が有料の検索順位チェックツールを使う方法です。

Nobilista(ノビリスタ)のような検索順位チェックツールを使うと、キーワードごとに何URLインデックスされているか出してくれます。

Googleサーチコンソールを使う方法

3つ目が、Googleサーチコンソールを使う方法です。

検索パフォーマンス>「検索キーワード」に狙っているキーワードを打ち込み、「ページ」を選択

ここで一番あげたい記事ではないURLが上位に来る場合、カニバリがある可能性があります。
ブラウザのシークレットウィンドウで確認しましょう。

まとめ

 カニバリ対策は今回説明したような専門知識が必要で、時間もかかります。

カニバリを含め、「記事を大量に作ったものの管理できていない…、どうにかしたい」ということにお悩みの場合は、アネマにご相談ください。

「社会をドライブさせる事業創造の右腕」というミッションに共感する、クライアントファーストの仲間たちが2024年最新のSEOノウハウとともに課題解決のお力になります。

1時間の無料相談を受け付けており、分析と改善案の企画立案までであれば、月5万円〜スポットでご相談に応じることもできます。
» SEOの無料相談はこちらから

目次