自社でSEOは必要ない?手を出すかの判断基準をプロがお伝えします
SEOに新規で取り組むか検討されているマーケ担当の方へ。
SEOは年々難化しており、競合が強い場合、SEOに予算投下しても成果が得られないケースが増えています。
本記事では、SEOは自社にとって本当に必要かどうか、戦えるかの判断基準と、戦えない場合の代替案について解説します。
なお、株式会社アネマでは、「本当にその状況でSEOに取り組むべきか」の分析をサポートする無料1時間枠をご用意しています。
SEOで予算を溶かさないために、アネマのSEO担当が現状分析を手伝います。ぜひ無料SEO診断サービスをご活用ください。
また、当記事はYouTubeでも解説しています。動画で確認したい方はWEBマーケティングスタジオのYouTubeをご活用ください(YouTubeでチャンネル登録しておき、通勤時に音声として流すのもおすすめです)。
SEOの現状
SEOは、各業界において専門会社がSEO業者に発注し、年々強いサイトが市場に増えています。いわば、時間経過とともに難化している状態です。
上位表示できなければSEOに取り組む意味がない
SEOで流入を獲得することを目的とした記事を作る場合、上位表示できなければ、記事作成の予算は無駄になってしまいます。(※もちろん、サイト内回遊などで見られるのであればOKです)
例えば、1ページ目でも9位、10位の記事は、それがよほど1~3位のページで課題解決されないページでない限り見られないでしょう。まして3ページ目、4ページ目にある状態では、存在しないのも同然です。
(※事例だったり、募集だったりの検索意図であれば、1ページ目の下部までは見られそうですが。稀に2ページ目からでもCVした事例も聞きます。)
そのため、自社にとって上位化が難しいキーワードは狙わない方がいいです。
予算をかければ厳しいキーワードも狙えるが…
もちろん、被リンクを得られる別のアイデアがあるのであれば、工数をかけてビッグキーワードを狙いにいくことはできます。
例としては、被リンク営業や魅力的な新サービス告知で業界からメディア掲載の被リンクを得られたり、プレス企画でバズって他社メディアに掲載してもらえるような広報体制がある場合。このような条件であれば、自社サイトの評価を高められ、競合サイトとも将来的に勝負できるようになるでしょう。
一方で、ただ単に記事数をつくったり、内部リンクで構造化すればいいという簡単な話ではありません。このあたり、SEO業者の自社に都合の良い営業に引っかからないようにご注意ください。記事数だけを作らせたいSEO会社は多いです。
SEOへの参入が困難と判断した場合、Google広告やmeta広告、SNSマーケティングなど、他の選択肢を検討する必要があります。
大前提:現在のSEOは「ドメイン」が最重要
悲しいですが、現在のSEOでは、ドメインが弱いとそもそも上位表示されないという事実があります。
ドメインを評価軸にしていることをGoogleは認めた
これは、2024年5月に流出したGoogleのアルゴリズムでも明らかになっています。
ドメインの”強い/弱い”とは、株式会社アネマのサイトでいうと「https://anema.co.jp/」のURLのことで、このURLが持っている被リンクの量と質の観点から ”ドメインパワー”の強さのことを指します。
“ドメインパワー”を把握する方法
Googleの内部指標では「siteAuthority」というものがあることが明らかになっており、これは私たちから見ることはできません。
ですが、サードパーティ製のツールでahrefs(エイチレフス)という世界中で使用されているSEOツールがあります。有料で月に2万円〜で使えます。
ahrefsでは、被リンクの量と質を100段階評価した「DR(ドメインレーティング)」という指標があります。アネマではDRも貴社への分析支援時に参考指標としてお見せできます。
これは弊社の独自見解ではありますが、現場を見てきてDRは以下のように解釈しています。
- 0-20: 新しいサイトや個人ブログ
- 21-60: 中小企業のサイトや強めの個人ブログ
- 61-80: 上場企業や大学、SEOに予算を多く投下している企業
- 81-100: 世界的に有名なサイト(Google、Facebookなど)
新規サイトやDRの低いのサイトが、高DRの競合サイトと戦うのは非常に困難です。ざっくりとした目安として、DR差が20以上ある場合は戦うのが厳しくなってきます。
なお、ドメインパワーを無料で分析できるツールとして、Moz(モズ)の「MozBar」というChrome拡張機能でDA(Domain Authority)を分析することもできます。
ただ、信頼性の観点で、SEO業界では世界的に使われているahrefsを基準に語ることが多いです。
ドメインの次に重要なこと
現代のSEOでは、「ドメイン > 記事の内容 > ユーザー行動」の順に重要です。
そのため、どんなにいいコンテンツを作ったとしても、そもそも競合で狙いたいキーワードの上位を占めているサイトのドメインパワーが強い場合、そのキーワードで勝つのは厳しいです。
記事の内容
「記事の内容」とは、TDHと呼ばれる「タイトル・ディスクリプション・見出し」から作られるコンテンツの中身を指しています。
タイトルとディスクリプションは、検索結果からのクリック率に影響します。
検索結果ページ(SERPs)でクリックされるページは、検索順位が上がりやすくなる、NavBoost(ナブブースト)の存在がGoogleのアルゴリズム流出で明らかとなっています。
また、キーワードごとの検索意図に対応できるh2、h3見出しでページを構成することが重要です。
適切な見出しがある方が検索エンジンはページの中身を理解しやすいです。
アネマでもTDHチェックツール(無料)を公開しています。自社サイトのTDHがどのように設定されているか、適切にh2、h3が使われており、そこに狙っているキーワードが入っているか確認しましょう。
ユーザー行動
「ユーザー行動」として、クリックされてからの直帰率、滞在時間、クリック行動が見られています。
読者が読みたかったものと違うページ内容であれば、直帰率が高くなってしまいます。これはGoogleから見て低評価です。
また、滞在時間が長く、イライラするようなダメなクリックの少ないサイトが高評価となります。
自社ページにきて、課題解決してブラウザを閉じる、または内部リンクから別ページに遷移していくようなユーザー行動になることが理想です。
これらドメインと記事の内容、ユーザー行動の3つがSEOにおいて重要なポイントです。ですが、後ろ2つ以前の前にドメインが最重要で、アネマでも「6〜7割はドメイン」だと考えています。
自社が狙いに行くべきキーワードを明確にする
SEOの現実がわかったところで、自社がSEOに参入すべきかを判断できる次のポイントに移りましょう。
まずは「自社が狙うべきキーワード」を考える
貴社の商品は、検索でどのようなキーワードで上位表示できれば売れるでしょうか。まずはそれを考えてください。
キーワード選定こそがSEO成功の鍵です。競争の激しいキーワードよりも、ニッチなキーワードや地域特化型のキーワードを選ぶことで、弱いドメインでもSEOできます。
そのキーワードで勝算があるかを分析する
次に、そのキーワードで勝ち目があるかを分析することで、SEOが自社にとって必要か、必要ないかがわかります。
キーワード分析のステップは以下の通りです。
- 自社サービスが売れそうなキーワードを考える
- 例:[コーヒー おすすめ]
- ラッコキーワードのGoogleサジェスト取得で実際に検索されているキーワードにわける
- ラッコキーワードの有料プランで、月間検索ボリュームを確認する
- ※Google広告のキーワードプランナーも可
- キーワードを顕在層、潜在層にわけ、優先順位をつける
- afrefsで上位のDR、URを確認し、狙えそうか確認
(※ahrefsのURは、ドメインではなく「URL単位での被リンクの量と質」です)
この工程を経て、自社が狙うべきキーワードで勝ち目があるかを分析していきます。
自社のDRよりも20以上高いDRのサイトしか検索上位にない場合、そのキーワードを狙うのは記事を作っただけでは厳しいです。(※被リンク獲得の長期施策があれば話は別)
その場合は、より潜在層向けの月間検索ボリュームの少ないキーワードで、上位ドメインを見ていきましょう。
特に、お金が大きく動く金融、不動産、人材、SEOの専門家が戦い合うSEO系キーワードなどは難しいのが現実です。
このキーワード選定の精度の低さで、多くの企業はSEO予算を溶かしています。なので、SEOに取り組むべきか心配な企業様はアネマにご相談ください。
自社にとってSEOが必要ない状況とは
SEOは多くの企業にとって重要なマーケティング施策ですが、予算やリソース、自社と競合におけるサイトの状況によって必ずしもすべての企業に適しているわけではありません。
以下のような状況では、SEO以外の戦略も検討したいです。
競合のドメインが極めて強い場合
強力な競合がすでに市場を占有している場合、新規参入でSEOを成功させるのは困難です。
自社の位置づけを正確に把握し、SEOの成功率を慎重に判断する必要があります。
ざっくりとした目安として、DR差が20以上ある場合は戦うのが厳しくなってきます。
短期的な成果が必要な場合
新しくメディアを立ち上げた場合、SEOは長期的な戦いであり、効果が表れるまでに時間がかかります。短期的な成果が必要な場合、SEO以外の方法の方が現実的です。
具体的に、DRが低い新規に近いサイトでは、6ヶ月程度順位が安定するまでに必要です。一方で、DRが60を超えるようなサイトでは、1週間〜1ヶ月で順位が決まることも多いです。
これはクローラー(Googleのbot)がどれくらいサイトに流入してくるかによって変わるために生じます。
自社にとってSEOが必要ない場合の代替戦略
SEOが最適でないと判断した場合、以下のような代替戦略を検討しましょう。
Google広告
Google広告を利用すると、広告費はかかりますが即座に検索結果の上位に表示されることができます。
これは顧客のニーズが顕在化したキーワードを狙う際に有利です。
ただし、Google広告も「枠の取り合い」ですので、競合激化している場合は予算勝負になり、厳しいです。
SNS広告
G広告は顕在層向けですが、meta広告(Facebook、Instagram)は潜在層向けの広告です。
潜在層向け施策では、まずは自社が出せる有益コンテンツをホワイトペーパーとしてつくります。そして、ホワイトペーパーのダウンロードを広告として回し、まずはリード(アプローチできる顧客名簿)を溜めます。
その後、溜めたリードに対して、メールでステップ配信、セミナー開催などのアプローチを行い、顕在化したリードから商談獲得またはご購入いただくことができます。
なお、専門的で有益なホワイトペーパーを共有することで、業界内での信頼性も蓄積できます。例として、SAIRU社は、BtoBマーケティングの有益資料の拡散で、専門的な会社というブランディングに成功しました。
SNS運用
FacebookやInstagram、YouTubeなどのSNSを活用し、ターゲット層に直接アプローチする方法も効果的です。
特にYouTubeはコンテンツ制作が重いですが、認知獲得〜教育、製品PRまでできる強みがあります。
アネマでもSEOで狙えないキーワードをYouTubeで狙ったりしています。
SEOだけでなく、統合型のマーケティング戦略が重要
このように、SEOだけで勝てない企業の場合は、複数チャネルをうまく活用してリード数を増やしていくことが重要です。
顕在層と潜在層向け施策の組み合わせ
SEOやGoogle広告は顕在層(明確な検索意図を持つユーザー)へのアプローチに適しています。
一方、meta広告やX、IG運用、YouTubeは潜在層(問題意識が明確でないユーザー)へのアプローチに効果的です。
両者を組み合わせることで、幅広い顧客層にリーチすることができます。
短期的・長期的戦略の併用
Google広告で即時的な可視性を確保しつつ、SEOとSNSによる有益コンテンツの拡散で持続的な集客と信頼構築を図ります。
このバランスにより、即効性と持続性を両立させることができます。
複数チャネルでのリード獲得と育成
SNS運用による専門性アピール、リターゲティング広告による再アプローチ、MAツールを活用したステップメール配信によるリードの育成など、複数のチャネルを効果的に活用しましょう。
SEOで戦えるかを分析し、必要ない時は別の戦い方をしよう
SEOが必要かどうかの判断は、自社の状況や競合の状況、KPIによって大きく異なります。
以下の点を考慮することが重要です。
- 競合の強さとドメインパワーの分析
- キーワードの難易度把握と自社が勝てるキーワードの選定
- 短期的・長期的目標の設定
- 代替戦略の検討(Google広告、SNSマーケティング、コンテンツマーケティングなど)
- 予算とリソースの適切な配分
SEOは、「負ける戦いをしない」ことが重要です。
自社の状況を正確に分析し、SEOが適していない場合は、他のマーケティング施策を検討することが成功への鍵となります。
SEO会社の弊社がいうのも何ですが、今の時代は、SEOにこだわりすぎず、柔軟なアプローチを取ることが重要です。
さいごに。株式会社アネマでは、上場企業においてメディア運用を行ってきたメンバーを中心に、実践から得られた知見でご支援させていただきます。今なら1時間の無料相談を受け付けています。貴社にSEOが必要かどうか、客観的な視点から分析しますので、お気軽にご相談ください。