【llms.txtは意味ない】通称”LLMO”のよくある誤解について
お疲れ様です、アネマの廣山晃也です。
最近は、「LLMO」や「AEO」などという言葉を耳にする機会が増えたと思います。ただ、現場では「llms.txtを入れればいい」「文章をAI用に調整する」といった誤解もまだ多いです。
結論から言うと、AI検索対策は小手先のハックではなく、自社が信頼できる情報源として見つかり、比較・推薦の文脈で候補に入るための検索マーケティングです。
Googleが2026年5月に公開・更新した生成AI検索向けの公式ガイド1を踏まえても、この考え方は大きく変わりません。llms.txtの導入やAI専用のリライト、偽の言及工作、構造化データへの過度なこだわりなどは、優先すべき本質施策ではないといえます。
ここでは、通称”LLMO”として広まるAI向けのSEOにおけるよくある誤解を整理しながら、AI検索時代に本当に重視すべき考え方を解説します。
なお、Googleが2026年に発表したllms.txtなど巷のAI検索対策の施策に関しての解釈については、下記の記事や動画でも解説しております。併せてご活用ください。
» GoogleがAI検索ハック(GEO/AEO/LLMO)を公式否定した件について
LLMO、GEO、AIO、AEO…何と呼ぶのが正解なのか
まず、そもそもの話からいきましょう。
日本では“LLMO”として広まってしまったAI検索対策ですが、実はいろいろな呼ばれ方があります。
Large Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)、これがLLMOですね。定義について詳しくは「LLMOとは」で扱いました。
他にも、Generative Engine Optimization(生成エンジン最適化)でGEO、Artificial Intelligence Optimization(人工知能最適化)でAIO、さらにはAIEO(AI Engine Optimization、AIエンジン最適化)などという言葉も目にします。
LLMOがよりLLM、つまり大規模言語モデルの事前学習を意識した言葉であるのに対し、GEOはAIによる回答生成そのものへの最適化を意識した言葉、といったニュアンスの違いはありますが、結局のところ、これらはほぼ同じものを指して使われているのが実情です。
LLMの最新モデルたちがWEB検索ありきになってきている現状と踏まえると、より適切なのは”GEO”と言えるでしょう。
ちなみに、アネマではBtoBでSEO会社の中では最初期にこのトピックの動画を出したので、当初どのようにAI検索対策を表現するかに悩んでいました。
ただ、GEOだと日本ではレンタルビデオの「ゲオ」と被ってしまうというのがありました。AIOについては、Googleの”AIによる概要(AI Overview)“と名称が似ていて紛らわしいかな、と個人的には考えております。
2026年時点の私の考えとしては、AI検索もGoogle検索も含めて「検索マーケティング」と捉え、自社がどのような文脈でヒトとAIに想起・推薦・比較されるべきかを設計する考え方に寄せています。
そして、それこそが「2026年以降に意識すべきSEO」だと考えています。
「LLMOはllms.txtを入れればOK」という話について
さて、ここからが本題です。AI検索のSEO(GEO)に関してよくある誤解を一つずつ見ていきましょう。
llms.txtを導入しても、LLMOには意味がない
一つ目は、llms.txtを入れればOK?というものです。
“LLMO”に関する書籍やYouTubeでは、「llms.txtをサイトに入れればLLMに読み込まれやすくなる」と言われています。
しかし、少なくとも主要な検索エンジン/LLMで参照されているという事実はありません。

そのため、Google検索の青いリンク集、AIによる概要、AI モードへの対応という意味では、llms.txtは「不要」だと考えてよいです。
設置しても害が出るものではありませんが、売上や問い合わせへの影響を考えるなら、優先度はかなり低いと言えます。
LLMの仕組みから考える、llms.txtが効かない理由
これには2つの観点があります。
そもそもLLM、大規模言語モデルというのは、主に「事前学習」と「RAG(検索拡張)」という仕組みで動いています。
事前学習では、インターネット上の膨大な情報を収集し、スクリーニングしてモデルの知識とします。この時、「カットオフ」と呼ばれる学習の〆切があるので、モデル開発後の新しい出来事は基本的に把握できません。
そこで登場するのがRAGです。これは、GoogleやBingなどの検索エンジンから最新情報を引っ張ってきて、事前学習データにはない情報も回答に反映させる技術です。
重要なのは、これらの事前学習やRAGのプロセスにおいて、「llms.txtを標準的に参照します」と正式に発表している主要なLLMはないということです。
ですので、llms.txtを設置しても、LLMの引用に直接的な影響を与える可能性は極めて低いと言えます。
しかし、Googleのジョン・ミューラー氏も「私の知る限り、どのAIサービスもLLMs.TXTを使用しているとは言っていません(none of the AI services have said they’re using LLMs.TXT)2」と2025年に述べています。
ジョン・ミューラー氏の回答
AFAIK none of the AI services have said they’re using LLMs.TXT (and you can tell when you look at your server logs that they don’t even check for it). To me, it’s comparable to the keywords meta tag – this is what a site-owner claims their site is about … (Is the site really like that? well, you can check it. At that point, why not just check the site directly?)
ジョン・ミューラー氏の回答(日本語訳)
私の知る限り、どのAIサービスもLLMs.TXTを使用しているとは言っていません(サーバーログを見れば、そもそもチェックすらしていないことが分かります)。私にとって、これはキーワードメタタグに似ています。サイト所有者が自分のサイトが何について書かれているかを主張しているだけです…(本当にその通りのサイトなのか?まあ、確認すればいいでしょう。それなら、直接サイトをチェックすればいいじゃないですか?)
メタキーワードタグは、過去にスパムに悪用された経緯から、現在のGoogle検索エンジンのランキング評価には使われていません。つまり、そういう扱いのものなのです。
それくらい、根拠の裏付けのない施策だということです。
「LLMOには構造化マークアップが有効!」という話について
次に、「構造化マークアップを行えばLLMOになる」という噂についてです。
確かに、構造化マークアップはGoogleやBingといった検索エンジンがサイトの情報を理解する上で技術的に参考にできるものです。
しかし、LLMのモデル(GPT-4やo3など)の開発における「事前学習」の段階では、構造化マークアップが直接的に大きく影響するとは考えにくいです。
また、各LLMのRAGにおいても、まだほとんど活用できていない可能性が高いと言われています。
例えば、ChatGPTでも現時点では構造化マークアップを読み取っていない、という見方が一般的です。※ChatGPTのオープンソース版であるgpt-oss3でもLLMで仕様書を翻訳しながら確認しましたが、構造化マークアップの使用は認められませんでした。

ただし、誤解しないでいただきたいのは、構造化マークアップが全く無意味というわけではない、ということです。
特にGoogleのAIによる概要などを意識した場合、Googleがサイト運営者情報や著者情報、つまり「エンティティ(企業や人物)」を正確に理解できるようにするためには、構造化マークアップは有効です。SEOの観点からも、自社が何者であるかを検索エンジンに正しく伝えることは重要です。
構造化データについては、Googleがページの内容を正しく理解するのに必要なもの。一方で「順位を上げたり、AIに引用させるための施策ではない」と理解しておきましょう。
「LLMOは何か一つのプラットフォーム対策」というのは間違い
3つ目の誤解は、「GEOは何かしら一つの具体的な対策を指す言葉だ」と思い込んでしまうことです。
AI検索のSEOというのは、広い概念であり、具体的にどのプラットフォームの、どのAIに対する最適化を指しているのか、という明確な定義が一律にあるわけではありません。
例えばSEOの場合、実質的に検索エンジンのシェアはGoogle一強でしたから、皆さんが”SEO”と言えば、それはほぼ「GoogleのSEO」を意味していました。
これに対して、AI検索のSEOの対象となるプラットフォームは多岐にわたります。Googleの検索結果ページ(SERPs)に出てくるAIによる概要もあれば、OpenAIのChatGPT、GoogleのGeminiなど、様々なAIが存在します。
2026年に入り、ChatGPT、Gemini、Perplexityだけでなく、Slack Bot、LINE上のAIチャット、Claude CodeのようなAIエージェントなど、ユーザーが検索・比較する場所はさらに増えています。
そのように考えると、自社がAIに言及されたい文脈での検索順位向上と、他社サイトを含む多くのサイトからいかに自社サービスへのクチコミを獲得するかというのが重要になってきます。
自社ブランドがAIにおすすめしてもらえているかは、ご自身でAIに質問したり、下記ページで紹介しているような分析ツールを使うことでモニタリングできます。
» 参考:AI検索対策(GEO/LLMO)のおすすめ分析ツールを紹介

SEOとGEOが全く別のものだと考えるのはよくない
もう一つよくある誤解としては、「SEOとGEOは全くの別物だ」と考えてしまうことです。
「LLMO」「GEO」と新しい言葉も使われますが、実はSEOとGEOでやるべきことは、ベン図で描くとほとんどの部分が重なり合っています。

従来”SEO”というと、青いリンク集での上位表示を目指し、自社サイトでのコンテンツ作成ばかりが重要視されましたが、「AI回答で言及されること」をゴールに置くと、他にもやるべきことが見えてきます。
例えば、観光業界を考えてみましょう。
例えば、「外国人に特におすすめの宿泊施設は?」とChatGPTに尋ねられた際に、自社が言及されるようにするためには、どういった情報発信が必要か、ということです。
自社で発信できなくても、他社サイトやお客様からのレビューで自社がほしい文脈でのクチコミがあれば、それがAI回答のソースになり、AI経由の集客に繋がります。
このように考えると、他社サイトは競合ではなく、むしろ積極的に活用すべきパートナーのように見えてきます。そうなると、「2026年にやるべきSEO」は少し見方や対策が変わってくるはずです。
業合他社に嫌われる会社であるよりも、好かれる会社の方が得する時代とも言えるのです。
ブラックなGEO手法と社会的信用について
GEOという新しい領域が出てくると、残念ながら、それを悪用しようとする動きも出てきます。いわゆる「ブラックハットGEO」です。
例えば、
- LLMを騙す目的で、自社に有利な情報ばかりを掲載したランキングサイトなどのサテライトサイトを量産する
- 競合他社のネガティブな情報を意図的に記載する
- 隠しテキスト(ユーザーには見えないがAIには読み取らせようとするテキスト)を大量に埋め込む
- 裏でお金を払って、様々なサイトに自社ブランドへの言及を不自然に購入する
これらの行為は、LLMのモデル開発における情報源を汚染することに繋がります。
Googleが公式ガイドで否定している「偽の言及工作」も、まさにこの領域です。サイテーション自体が不要なのではありません。
問題なのは、自作自演のランキングサイト、実態のない口コミ、AIを騙すためだけの文章など、ユーザーにも業界にも価値がない言及工作をすることです。
本当に意味のあるGEOは「エンティティ・ブランディング」
では、本当に意味のあるGEOとは何なのでしょうか? 私たちが提唱したいのは、「エンティティ・ブランディング」という考え方です。
これは私、廣山晃也が勝手につけた造語なので、正式なマーケティング用語ではありません。
AI検索のSEOの本質は、小手先のテクニックではなく、いかにしてAIに「このトピックについて語るなら、このエンティティに言及すべきだ」と認識させるかにあります。
そのために重要なのが「サイテーション」、つまり他社サイトから自社のエンティティに対して言及されることです。
これは、被リンクももちろんサイテーションの一つの形ですが、被リンクの数だけでなく、どのような文脈で、誰から、どのように言及されているか、その質が問われます。

具体的に「エンティティ・ブランディング」として取り組むべきことは多岐にわたります。
例を挙げると、
- 自社や他社のメディアからの、質の高いサイテーションを増やす
- 自社のオウンドメディアだけでなく、ニュース記事やレビューサイト(アーンドメディア)、広告出稿(ペイドメディア)など、あらゆるチャネルを使って、自社のブランドを発信する
- もし可能であれば、Wikipediaに掲載される。Wikipediaの情報はGoogleがもつエンティティのデータベース=ナレッジグラフにもよく使われるため、エンティティ認識の観点で強力です
- 業界内での最先端の実績や事例を作り、それをプレスリリースで積極的に発信する
- ウェビナーやカンファレンスを主催したり、登壇したりして、専門家としての権威性を高める
- 企業名やブランド名の表記を統一する。例えば、弊社であれば英語大文字で「ANEMA」なのか、先頭のみ大文字の「Anema」なのか、カタカナで「アネマ」なのか、「株式会社アネマ」なのか。コーポレートサイトからSNS、YouTube、プレスリリース、配布資料に至るまで、表記を統一することでエンティティ評価の分散リスクを避け、指名検索でも有利になります
- 例えばイベントの感想をSNSで投稿してもらったり、製品やサービスのレビューを書いてもらったりするようなUGCの設計も、サイテーションを増やす上で有効です。
私たちアネマで、AIのSEOがうまく行った事例(GPTやGeminiであるブランドが業界内でも最もおすすめのサービスとして出てくるといった成功例)でお話しすると、実は「GEOへの対応策」として何か特別なテクニカルなことを集中的に行ってきたわけではありません。
llms.txtも入れていませんし、構造化マークアップもやり残しているサイトです。 それでも、LLMから私たちの事業領域において上位で言及されることがあるのは、
- 業界内で最先端と言える実績や事例を地道に作ってきたこと
- それらの実態をプレスリリースなどを通じてきちんと社会に発信してきたこと
- SEOにおいても、業界内の主要なキーワードで高い評価を得ていること
- ウェビナーやカンファレンスなどを通じて、積極的に情報発信と交流を行ってきたこと
他の会社様の事例でも、
- Googleビジネスプロフィールの内容を見直し、自社紹介文にエンティティ・ブランディング(どんな文脈でサービスを紹介するか、ブランド名を入れるか)の観点を取り入れる。
- ビジネスプロフィールを含め、各SNSのプロフィールから自社の他の媒体(WEBサイト、ブログ、YouTubeチャンネルなど)へ適切に誘導できるようにリンクを整理・調整する。
といった地道な改善から行ったりします。
これらが結果として「エンティティ・ブランディング」に繋がり、LLMにも評価されているのだと考えています。
すなわち、”AI用のSEO”として何か特別なことをしたというよりも、自社の事業ブランドを正しく、そして力強く構築してきたからこそ、AIにも認識されている、ということです。
だからこそ、小手先のテクニックで他社メディアを裏で買収して自社情報を載せるよりも、誰が見ても「このメディアの情報なら間違いない」「この会社は信頼できる」と思われるような本質的なブランドを築くことが何よりも大切です。アネマとしては、そうした本質的な取り組みに注力していきたいと考えています。
実務としては、①TOP・サービスページで自社の説明を明確にする、②集客記事にも自社の実例や独自情報を入れる、③第三者メディアでの掲載文脈を整える、④AI回答で自社がどう説明されているかを定期的に確認する、という4つになってきます。
エンティティ・ブランディングを中心に、本気で自社ブランドづくりに取り組みたいと考えていらっしゃる企業様は、ぜひ私たちにご相談ください。必要に応じて広報やYouTubeも併用しながら、御社のWEB上におけるブランドを一緒に築き上げていきます。
今回はここまでとします。ありがとうございました。
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