AIエージェントでSEOは全自動化できる?記事制作と人に残る役割を考える
AIエージェントにキーワードを選ばせ、記事を書かせる。こうした仕組みを作れば、SEOも人手をかけずに回せるのではないか。記事制作に時間や費用がかかっている会社ほど、気になる話だと思います。
実際、Claude CodeやCodexなどのAIエージェントを使って、決めたキーワードについてコンテンツを作ることはできます。ただ、ここで一度分けて考えたいのが、「記事を作れること」と「SEOで成果を出せること」です。
私たちが支援の現場で見ているのは、文章を作る作業だけではありません。何を伝えるべきかを決め、内容を確かめ、自社が選ばれる理由を作っていく。そこまで含めて考えると、AIに任せられる部分と、人が担う部分が見えてきます。
今回は、AIを使った記事制作でどこまで効率化できるのか。そして、人はどこに時間を使うべきなのかを、私たちの経験も交えてお話しします。
※本記事は、2026年10月22日時点の支援経験・見解を基に、同年11月2日に確認したGoogleの公開情報を補って整理しています。
本記事の動画版も用意しています。通勤中などに音声で聞きたい方は、こちらもご活用ください。
AIエージェントで記事制作は効率化できる
AIエージェントを使えば、キーワードの候補を整理し、決めたテーマについて記事のたたき台を作る作業は進められます。人が一から文章を組み立てる場合と比べて、制作のスピードを上げられる場面は増えています。
ただし、作業を速くすることと、自社ならではの記事を作ることは、別に考える必要があります。
独自情報がなければ、他社と似た内容になりやすい
AIにテーマだけを渡して記事を作ってもらうと、学習済みの知識やWEB上の情報を基にした、一般的な説明に寄りやすくなります。
同じ情報を使っている限り、A社が作ってもB社が作っても、似た内容になりやすいわけです。
そこで重要なのが、自社の経験や事例、日々の業務で得ている知識です。
例えば、お客さんからよく聞かれる質問にどう答えているか。ある問題に対して、どのような選択肢を比べ、なぜその方法を選んだのか。実際に取り組んだからこそ分かったことは、一般的な情報を集めるだけでは出てきません。
独自情報を入れるというのは、会社名を文章に差し込むことではありません。読者が判断するときに役立つ、具体的な材料を渡すことだと考えています。
過去の発信を、AIが参照できる資料にまとめる
独自情報は、毎回一から説明しなければいけないわけではありません。
過去の登壇資料やYouTubeの文字起こし、ブログ、何年も発信してきたメールマガジンなどがあれば、そこには、その人の経験や考え方がすでに言葉として残っています。こうした資料をまとめ、記事を作る際に参照してもらう方法があります。

例えば、登壇資料や文字起こし、過去の記事を「独自情報集」のような一つのフォルダーにまとめておく。その上で、「このフォルダーにある事例や考え方を使い、今回のテーマに合う記事を作ってください」と依頼します。記事のたびに同じ経験や考え方を一から伝える代わりに、まとめた資料を参照してもらうわけです。

そうすれば、テーマだけを渡す場合よりも、その会社らしい内容に近づけやすくなります。
過去にコンテンツを蓄積してきた会社は、この点で有利だと思います。以前にかけた時間が、AIを使った制作の材料になるからです。
一方、参照できる情報がなければ、その都度、経験や考えを伝える必要があります。文章を作る仕組みだけを整えても、材料がないままでは、内容の薄さは解消しません。
独自情報を入れても、読者の役に立つとは限らない
ここで注意したいのは、独自情報が入っていれば、それだけで良い記事になるわけではないということです。
自分たちが言いたいことと、検索してきた人が知りたいことは、必ずしも一致しません。読者が求めていない話をいくら盛り込んでも、「それは分かったけれど、自分の疑問は解決しない」と思われてしまいます。
例えば、漢字の意味だけを調べている人なら、まず欲しいのは、その意味がすぐに分かる説明です。そこに自社の長い体験談を入れても、知りたいことから遠ざかってしまうかもしれません。一方で、「同じような状況の人はどうしたのか」「その選択で納得できたのか」を知りたい人には、経験談や共感できる材料が役立ちます。独自情報を入れるかどうかだけでなく、その検索をした人の疑問に合っているかを見る必要があります。
どんな情報が役立つかは、検索意図によって変わります。
長さや網羅性だけを追うと、読者が迷う
AIを使えば、説明をどんどん増やすこともできます。
ただ、選択肢がAやB、C、D……と並んでいても、「自分は結局どれを選べばいいのか」が分からなければ、読者は困ってしまいます。
実際、私が見ている範囲でも、AIエージェントで作られた5万文字や6万文字という長さの記事が出てきています。
作る側は短時間で出力できても、読む側がその量の文章を読み進める負担は別です。「これだけ詳しく書けた」だけで終わらず、そこまで読んでもらえる書き方になっているかを考えたいところです。
それよりも、「この条件ならこちら」「こういう場合はこちら」と、判断の仕方を示してもらった方が助かることもあるはずです。
長い記事がすべて悪いということではありません。詳しい説明が必要なテーマもありますし、画像や動画、手順の見せ方を工夫することで、長くても理解しやすくできます。
問題は、読者が知りたいことに答えるために長くなっているのか、作れるから情報を増やしているだけなのかです。Googleも、検索で優先される特定の文字数があるわけではないと説明1しています。
公開後も、読者が必要な情報にたどり着けているか、次の行動へ進めているかを確認する。
その視点がないまま、記事の本数や文字数だけを増やしても、改善の方向は見えてきません。
AI時代こそ、基礎的なライティング力が必要になる
私が重要だと思っているのは、AIを使わなくても、読者に伝わる文章を組み立てられることです。
結論はどこに置くのか。その結論を納得してもらうために、どんな事例や経験を入れるのか。根拠は十分か。余計な話が入って、読みづらくなっていないか。
こうしたことを自分で判断できれば、AIの出した文章のどこを直すべきかも分かります。
反対に、「間違ったことは書いていないから」と、すべて残してしまうと、読者にとって必要な情報が埋もれてしまいます。
AIに書いてもらうようになると、書く力は不要になる。私は、そうは考えていません。
むしろ、出来上がった文章を評価し、読者に合わせて編集するために、基礎的な力が必要になります。
公開前のファクトチェックは人が担う
読みやすさに加えて、事実が正しいかを確かめることも欠かせません。
AIは、もっともらしい文章で誤った説明を出すことがあります。自社の資料を渡している場合でも、元資料にない内容を補ったり、条件や時点を落としてしまったりする可能性があります。
人が確認するときは、単に日本語として自然かを見るだけでは足りません。数字や日付、制度や製品の仕様、引用した情報が、実際の根拠と合っているかを確認する必要があります。
Googleも、生成AIによるコンテンツでは正確性・品質・関連性を優先し、公開前に人の手でファクトチェックすることを勧めています。また、AIで作ったこと自体ではなく、読者への価値を加えずに大量のページを生成することが、スパムポリシーに違反する可能性があると説明2しています。
AIを使うかどうかだけで良し悪しを決めるのではなく、公開する内容に責任を持てる状態かを確かめることが大切です。
独自情報を出せないなら、本当にその記事は必要か
アネマでは、医療や士業、IT、建設業など、さまざまな業種を見ています。その中には、独自の事例や経験を出しやすいテーマもあれば、公開できる情報が限られ、どうしても似た説明になりやすいテーマもあります。
そうしたときに、無理に情報をかき集めて記事を作るべきか。ここは、記事を作る目的から考えたいところです。
検索で上位に表示するためだけに作るのであれば、他社と同じことしか書けず、上位表示の見込みも薄い記事に、どこまで時間を使うべきでしょうか。
AIが初稿を速く作れても、公開できる状態にするには、人の確認が必要です。
一方、自社の商売を説明するために必要な情報や、お客さんの疑問に答えるために欠かせない情報であれば、検索流入が大きく見込めなくても作る理由はあります。
他のサイトにはない経験や、読者が知りたい具体的な判断材料があるなら、制作する価値は高いと思います。限られた人の時間をどこに使うかという視点も含めて、テーマを選びたいところです。
量産の先で詰まるのは、人の確認
AIエージェントを使えば、記事を作る作業は速くなります。ただ、良いコンテンツとして出そうとすると、最後は人が確認するところで時間がかかります。
検索意図に合っているか。自社の経験が正しく伝わっているか。分かりやすいか。間違いがないか。こうした確認まで含めると、初稿を書くスピードが上がった分だけ、運用全体の生産性も同じように上がるとは限りません。
あくまで私の実感ですが、AIで記事を作る作業が何十倍もの速さになっても、人の確認まで含めた生産性の向上は数倍にとどまることがあります。初稿を作る工程が速くなった一方で、公開してよい内容かを判断する工程は残るからです。
毎日自動で記事を作り、その修正もAIエージェントに繰り返させる。そうした仕組みで、日本語の不自然さや情報の抜けを減らせる場面はあります。
それでも、実際の読者が納得するか、行動したくなるかという部分まで、自動の修正だけで判断しきるのは難しいと考えています。
自動修正のループが回っていることと、その分野の専門家が内容を確認したことは同じではありません。
だからこそ、自動化を考えるときには、「何本作れるか」と一緒に、「誰が、どの観点で確認するのか」まで決めておく必要があります。
初期検証に使う場合も、ブランドへの影響を見る
まず記事を出し、反応を見てみる。初期検証のためにAIを使う考え方はあると思います。
ただ、企業やサービスの名前で公開するなら、読んだ人にどう見えるかも考えたいところです。私の場合、絵文字や記号の使い方、読点の打ち方などが気になり、さらに説明が不自然に長いと、読む気が薄れてしまうことがあります。クリニックの記事を読んでいるときに、知りたかったことへなかなかたどり着けないと、「このクリニックに相談して大丈夫だろうか」と感じてしまうわけです。
AIを使ったと読者が気づくかどうかだけの問題ではありません。読んでも疑問が解決しない、内容を確かめた形跡がない。
その印象が、会社への信頼にも影響する可能性があります。
記事を出した本数や、その後のアクセスだけでは見えない部分です。自社の名前で出す情報として、どこまで確かめるかを考えておきたいと思います。
SEOで差がつく「オフページ」の領域
ここまでは、主に自社サイト内のコンテンツの話でした。もう一つ見ておきたいのが、サイトの外側です。
記事やサービスページを整える取り組みを「オンページSEO」、外部での評価や言及などに関わる取り組みを「オフページSEO」と分けて考えると、記事を作る作業だけでは捉えきれない部分が見えてきます。

例えば、「岐阜のSEO会社はどこがいいか」と調べる場面を考えてみてください。上位のページが、どれも膨大な文字数の解説記事とは限りません。会社のトップページやサービスページが並ぶ場合もあります。
そこで、文字数や網羅性だけを比較しても、なぜその会社が選ばれているのかは分かりません。
その地域や業界で、どのような実績や専門性が知られているのか。
外部でどのように紹介されているのか。そうしたことまで見る必要があると、私は考えています。
「おすすめ○選」に載ることと、外せない会社になること
外部で紹介される例として、「地域のおすすめ会社○選」のような記事があります。

そうした記事が読者に見られている間は、自社を知ってもらう接点になる可能性があります。
ただ、紹介している記事自体が検索結果から見えなくなったり、なくなったりすれば、その接点も変わります。
私が長期的に大事だと思っているのは、新しくまとめ記事が作られたときにも、「この業界なら、この会社は外せない」と認識されるような立ち位置を作ることです。
掲載先を一つ見つける話から、その業界でどんな会社として認識されるかという、ブランドの話に広がっていきます。
なお、広告としての掲載と、検索順位を操作するためのリンク獲得は分けて考える必要があります。Googleは、順位操作を目的とするリンクの売買などをリンクスパムとし、広告やスポンサー目的のリンクには適切な属性を付けるよう案内3しています。
専門家としての活動を、第三者に認識してもらう
では、外部での信頼はどう作るのか。ここは、企業の規模や業種によって、取り組み方が変わります。
例えば、中小企業であれば、社長や専門家が業界のカンファレンスで登壇する。セミナーを開く。地域の団体や協会の活動に参加する。展示会に出展する。そうした活動が、専門性や取り組みを知ってもらう機会になります。
そして、イベントの主催者が登壇者や出展企業をWEBサイトで紹介すれば、その活動が自社サイト以外の場所にも記録されます。現場で行っていることと、WEB上で確認できる情報がつながるわけです。
もちろん、登壇や掲載を一つ増やせば検索順位が上がる、という単純な話ではありません。特定の活動を、そのままGoogleやAIの評価点として数えられるわけでもありません。
それでも、誰に何を相談できる会社なのかが、外部の情報からも伝わる状態を作ることは、自社が選ばれるための取り組みとして考えておきたいところです。
AIは、こうした活動の準備や情報整理を手伝えます。
ただ、事業者として経験を積み、専門家として話し、その内容に責任を持つことまで、文章を作る仕組みで代わりに済ませられるわけではありません。
個人メディアの成功例を、そのまま自社に当てはめない
個人で運営するアフィリエイトメディアなどでは、特定のキーワードで記事を作り、アクセスやコンバージョンにつなげる取り組みが中心になる場合があります。
ただ、その方法で成果が出たからといって、企業のSEOも同じように全自動で回るとは限りません。
自社の商品やサービスを持つ会社では、記事の内容に加えて、会社としての実績や評判、誰がその分野で活動しているのかも、相談先を選ぶ材料になります。
個人か法人かだけで一律に良し悪しが決まるという話ではありません。記事を作る仕組みの成功例を見るときにも、そのサイトが何を提供し、どのような信頼を積み上げているのかまで分けて考える必要があります。
業種によって、必要なSEO戦略は変わる
どの業界でも、同じ施策をすれば良いというわけではありません。
私たちが見た医療系のあるジャンルでは、アフィリエイト広告を通じて知られているブランドの存在感が大きいケースがありました。一方、大手企業やSaaSのサービスなら、テレビCMに使える予算はあるか、サービスの口コミや評判はどうか、といった別の条件も見ていく必要があります。
では、同じような広告予算を使えない中小企業には何もできないのか。そうではなく、社長や専門家が地域や業界で登壇し、その活動を知ってもらう道もあります。広告を増やすのか、サービスの評判を育てるのか、専門家として活動するのか。自社に合う道を選ぶために、業種や事業の中身を見る必要があります。
コンテンツで解消すべき疑問があるのか。外部からの認知や信頼が足りないのか。自社の体制で、実際にどこまで動けるのか。そこを見て、優先する施策を決める必要があります。
AIも、施策の候補は出してくれます。ただ、その中で自社に何が合うのか、実行できるのか、どんな相手にどう働きかけるのかまで落とし込むには、現場の理解が必要です。
アネマでも、さまざまな業種の支援を通じて、各社と一緒に考えている部分です。決まった施策を当てはめるだけで解決するなら簡単ですが、実際には、事業や業界の事情によって判断が変わります。
関連して、Googleが示しているAI検索への考え方については、「GoogleがAI検索ハック(GEO/AEO/LLMO)を公式否定した件について」でも整理しています。
を公式否定した件について-300x169.jpg)
AIに任せた分、人はどこに時間を使うか
AIエージェントによって、記事制作の作業は効率化できます。その利点は、活用すれば良いと思います。
一方で、制作する材料を集めることや読者に合う内容へ編集すること、事実を確認すること、そして、自社が信頼される活動を積み重ねることは、引き続き大切です。
自動化の目的を、記事を増やすことだけに置くと、確認作業だけが積み上がるかもしれません。自社に必要なコンテンツは何か、人が関わるべきところはどこかを決めた上で、AIを組み込むことが大切です。
アネマでは、SEOやAI検索を踏まえた戦略づくりから、コンテンツの企画・編集、外部での認知や信頼を作る取り組みまで、各社の状況に合わせて支援しています。記事制作を効率化したい方も、何に時間を使うべきか迷っている方も、ぜひご相談ください。
» アネマにSEO・AI活用やコンテンツの進め方を相談する
SEOやAI検索の変化を、自社の集客にどう生かすか。アネマのニュースレターでは、WEBマーケティングに関する私たちの最新の発信をお届けしています。日々の情報収集を、次の施策を考えるきっかけに。ぜひご登録ください。
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Footnotes
- 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成|Google 検索セントラル ↩︎
- WEBサイトで生成AIによるコンテンツを使用するためのGoogle検索のガイダンス|Google 検索セントラル ↩︎
- Google WEB検索のスパムに関するポリシー:リンクスパム|Google 検索セントラル ↩︎
