生成AIで作った記事はSEOに影響するのか?

今回のテーマは、「生成AIで作った文章は、SEOの順位やサイト評価に影響するのか?」についてです。
- あるメディアでは、サイト評価低下を避けるために、少し前から生成AIチェックツールを導入
- ここで執筆した方は、生成AIで作られたものではないか?と疑われることがあった
- 実際にはAIを使っていなかったのですが、チェックした結果、自分の書いた文章がAIで作られたものみたいに判断された
こういうことがありました。
AIで作った文章をサイトに載せた場合、
- Googleの検索順位が上がらないなどはあるのか?
- サイトの評価が下がることはあるのか?
ここは今の段階で分かっているのでしょうか?
自分もAIで文章がSEOにどう影響するのか、少し曖昧だったので、もし分かれば教えていただきたいです!
こういった質問をいただきました。
今はGPT-4、そしてClaudeが出てきて、各社、生成AIで出力したテキストをメディア運用で活用し始めています。
新しい取り組みをするからこそ、新しい課題も出てくるかと思います。
ただ、生成AIをコンテンツとして使用するのは、やり方を間違えるとGoogleからペナルティの対象になるおそれがあります。
ですが、時代の流れを考えるともう「AIを使わない」というわけにはいかないですよね。
アネマとしても、メディア運用に生成AIを使いこなしてほしいです。
今回はクライアントの上場企業からスポーツスクール、自社でのYouTube台本作成からそのコンテンツの二次利用でブログにするところまで、AIを毎日使い倒している我々がAIの活用について、今回の質問への回答となるGoogleの発表も根拠として出しながら解説していきます。
なお、生成AIを活用したコンテンツマーケティングの最新手法について知りたい企業様は、アネマにご相談ください。上場企業での実績を持つメンバーが、貴社のビジネスに最適なAI活用戦略をご提案いたします。
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また、動画版もご用意していますので、テキストと動画、お好きな方でご活用いただければと思います。
生成AIコンテンツはペナルティの対象なのか
まずはじめに、「生成AIで出力したコンテンツは、検索エンジンからペナルティの対象になるのか」についてです。
Googleが2023年2月に発表した「AI生成コンテンツに関するGoogleのガイダンス」というドキュメントがあるのですが、ここでは、
- 制作方法を問わず高品質のコンテンツを評価
- E-E-A-Tを満たしたオリジナルかつ高品質のコンテンツを評価
- AI生成コンテンツはGoogleのガイドライン違反にはならない
と説明されています。
AIの使用自体は、ルール上問題ありません。
ただし、「検索ランキングの操作を主な目的としてコンテンツ生成に使用すると、スパムに関するポリシー違反になる」とあります。
この解釈は難しいですが、AIで機械的に記事を量産してそのまま貼るとかは引っかかりそうですね。
※追記:実際の事例としてAI記事のサイトの順位落ちた事例もあります
なので、ここまでをまとめまして
- Googleの検索順位が上がらないなどはあるのか?
- サイトの評価が下がることはあるのか?
といういただいた質問に対しては、「正しく使えば問題ない」が答えとなります。
AI記事の大量生成、そのままUPでペナルティをくらった事例は日々報告されているので、注意してください。
なお、2024年3月のGoogleアップデートで、「大量生成されたコンテンツの不正使用」に関して対策が追加されています。
“スパムに関連して AI 生成コンテンツに対する Google の考え方が変わったということですか?
従来からスパムに関する Google のポリシーでは、生成 AI を含む自動化の使用は、検索結果でのランキングの操作が主な目的の場合はスパムであると見なしてきました。新しくなったポリシーは、これまでのポリシーと同じ考え方を踏襲し、同じ原則に基づいて対象範囲を広げたもので、低品質のコンテンツが自動化でのみ作成されたか判定が難しい、より巧妙な大量生成手法にも対応できるようになりました。”
海外情報によると、GoogleはSpamBrainなどの高度な機械学習ツールを使用して、AI記事を検出しているということです(参照)。
Google推奨の品質チェックポイント
「正しく使えば問題ない」のであれば、どこを気をつけたらいいのか。
「Google検索セントラル」では、Googleに高く評価される方法として、「誰が」「どのように」「なぜ」という観点からコンテンツを見直すことが推奨されています。
「誰が」は著者を明らかにすることや専門領域・これまでの経験に関する情報を伝えることです。これによってE-E-A-T対策になります。
「どのように」は、たとえば製品レビューにおいて、結果だけでなくテスト方法やサンプル数などの根拠も載せることが求められています。
「なぜ」は「そもそもなぜそのコンテンツを作るのか」に答える。このとき、人々の役に立つことを前提としてつくることが大事です。
生成AIコンテンツの問題は何か
あとは現場を見てきて、求められていると感じる、「AI記事を扱う上で抑えておきたいポイント」を説明します。
品質の中でも、文章力の問題と一次情報を作れるかという2つの点で、我々は生成AIがつくる文章に違和感を感じています。
①文章力の問題
文章力は、「文章や日本語として正しいか」です。
生成AIは膨大なデータから学習しているので、多様な意見・状況を考慮します。結果として、言い切れません。
「その状況なら明らかだろう、専門家として言い切ってほしい」という場面でも、「〜という可能性があります」と何回も連呼して、責任をとってくれません。
安全な表現ばかりしますね。
文字数ばかり増やしてしまって、中身がない文章が多いです。AIの性質上、関連すると思われる文章を次々と追加します。
また、同じことを何回も言ったり、事実中心で意見がない文章をつくりがちです。
やはり、AIは現場でできる「体験」をしていないので、リアリティのある話をするのが苦手です。なので、読み手を惹きつけたりする文章はデフォルトで書かせたくらいではできません。
②一次情報か二次情報
体験のところで2つ目にもつながりますが、AIには「一次情報」が出せません。
AIはあくまで情報処理しているだけなので、機械学習したデータをもとにテキストをアウトプットしています。つまり、生成AIでつくれるのはあくまで「二次情報」だけです。
我々が普段参考にしたり、Googleが情報源としてほしいのも、「一次情報を生み出す側」ですよね。
なので、極めてオリジナリティが低い原稿になってしまいます。
生成AIコンテンツの強みが生きる使用場面
ここまでの話で、生成AIの特性が見えてきたと思います。
人間と一緒で、得意な領域・不得意な領域があるので、生成AIには得意なところを担当いただくといいでしょう。生成AIが得意なのは、「情報のまとめ」です。
WEBメディア運用においては、
- 文章”案”をつくる
- 要約文をつくる
- 文章ベースの作業させる
こういう用途であれば、AIの強みが生きるでしょう。
具体的には
- ブログ原稿の「たたき」をつくらせる
- タイトル案をつくる
- メタディスクリプションのたたきをつくる
- ブログ原稿をYouTube原稿に変換させる
- 海外のニュース記事を翻訳・要約してもらう
こういった、「世の中にそのまま出して、人様に読んでもらう」の一歩手前段階までが生成AIの担当領域です。
AIには責任が取れませんので、世の中に公開する=メディアとして責任が取れる、と認識して、責任取れない部分が人間の手で修正し切ることが重要です。
AIを「ライター」と思うと間違いで、AIはあくまで「時間短縮のための”ツール”」にすぎません。
人間が「独自の経験・見解」を追加しましょう。
人間の経験に、読み手も共感するし、読む価値を感じます。
あとは嘘もよく言う(ハルシネーション)ので、「嘘を入れないでください」と言ったり、ファクトチェックも忘れずに。
AIが作った文章か、人間が作った文章か
生成AIが広まってから、AIが書いたかをチェックするツールも続々と出てきています。メディア運営側が導入し、とりあえずすべての原稿でチェックしていくのもわかります。
ただ、その精度は正直微妙です。
AIの文章生成能力とそれを検出する技術は常に競争しています。
現在の検出ツールの多くは、AIがつくる特定のパターン(文章の多様性、文章構造、フレーズ)などを分析していますが、人間もひっかかることがあります。
逆に、人間も人間が書いた文章を「AIが書いただろう」と間違えることもあります。
僕自身もライターさんの添削をしていて、品質が気になる際にAIかと疑うことがあります。
使うならこっちが気づかないくらい使いこなしてほしいわけですね。中途半端がだめです。
ほとんどが本当にAIなのですが、過去に2回はAIじゃなかったです。
SEOを6年やってる僕でも見破れないんです。
その時は、
- 書いてあることが、本当にその現場を知っていたらそう書かないはずのことを書いてあった
- 網羅性は高いが、内容がイケてなかった
- 上位記事の情報のトレースで、独自の経験・見解がゼロだった
などで勘違いしました。
なので、ライター側としては、今回の動画で伝えてきた内容を意識して付加価値を出すように意識するしかないですね。
あとは、検出器も人間も間違えるので「AIではありません」と言えばOKです。
Googleドキュメントなら編集履歴が残っているので、AIでつくっているのかもすぐわかります。
まとめ
ここまでの内容をまとめると
- 生成AI自体が悪いのではなく、メディア側が品質の責任を取りきれていないことが問題
- 人間が付加価値を乗せていこう
- AIの検知ツールは当てにならない、人間も間違えるから、そこは気にしない
ですね。
実際に根拠となるGoogleのソースも元に解説いたしました。
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