【SEO終了】Googleの”AIモード”と対応策について考えました

SEOが大きく変わろうとしています。
昨年、日本でも導入された「AIによる概要(AI Overview)」という機能がありましたが、アメリカではそのAI生成の回答が検索結果画面全体に表示される「AIモード」が実装されました。

「AIによる概要」のときもアメリカから日本へ段階的に導入されたので、時間差を経て日本にも大きな影響を与えるはずです。

AIによる概要の時でさえ、「前年同月比で49%減というアクセスの落ち込みがあった」という海外メディアの報道もあるので、AIモードのインパクトはさらに大きいのではないでしょうか。

今回は、「SEOが終わるんじゃないか」と騒ぎになっている「AIモードとは何か」を押さえた上で、私たちがどう対応策をとっていけばいいのかを考えてみたいと思います。
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動画でも解説しているので、音で聞きたい方はぜひご活用ください。

目次

h2:「AIモード」とは

まず「AIモード」とは何なのか、Googleが公開している内容を噛み砕いてご紹介します。

h3:Googleが公開した「AIモード」とは

AIモード

Googleは2025年3月に入ってから、検索に組み込まれた新機能「AIモード」をアメリカでテスト提供開始しました。

従来の検索結果画面、いわゆるSERPsには、1ドメインにつき1つのページタイトルが表示されて、だいたい10個くらい並びますよね。

AIモードでは、そのようなリスト表示ではなく、ChatGPTのGPT searchのようにAI生成のチャットが表示されます。検索エンジンに生成AI、つまり大規模言語モデルを統合して、今までのキーワード検索よりも柔軟に質問に答えられるようにしているということなんです。

イメージとしては「AIによる概要(AI Overview)」が画面全体に拡張されたような感じですね。

モデルとしてはGoogleの「Gemini 2.0」のカスタム版が採用されているとされていて、精度は高いと思われます。

ここ数年、Google検索では「強調スニペット」が登場して、検索結果をクリックせずに必要な答えが得られる「ゼロクリック検索」が増えていました。「AIによる概要」や今回の「AIモード」は、その流れをさらに強めていく傾向となるはずです。

もともとGoogleは従来の検索結果に広告を出すことで収益を得ていたので、本音では検索画面を大きく変えたくなかったはずなんですけど、PerplexityやGenspark、Felo、GPT searchなどのAI検索サービスが登場してきたことで状況が変わってきました。

アメリカのAI overviewには広告を出せるようになっていたので、そこから生き残りの道を見つけようとしているのだろうという見方もできます。

h3:「AIモード」の仕組み

次に、「AIモード」の仕組みはどうなっているのか。

検索キーワードを入れると、AIが関連する複数の検索を同時に走らせて、幅広い情報を集約して提示してくれるというものです。

聞かれた内容に答えるだけでなく、関連トピックまで自動で調べて、ユーザーが再検索しなくても一通りの情報を得られるようになっています。

ユーザー側でうまくキーワードを組み合わせる必要がなくても、自然な質問の形で大まかな情報を得られるのが強みですね。

h2:「AIモード」でSEOはどう変わるのか 

では、この「AIモード」が本格導入されるとSEOはどう変わるのでしょうか。

AIモードでは、「AIに引用してもらえるか」が重要になってきます。

これを「AIO(AI Optimization)」と呼ぶのか、「AEO(AI Engine Optimization)」と呼ぶのか、はたまた「LLMO(大規模言語モデルに最適化)」「GAIO(Generative AI Optimization)」なのか、まだ名称は定まっていませんが、ここを研究する必要があります。

AIモードによる回答が出てくると、特に知識(knowクエリ)を求めているユーザーはAIの回答だけで満足してしまい、サイトを訪問しなくなるリスクがより強くなります。

GoogleのトップにAI回答がバーンと出るわけですから、ユーザーの視線や満足感がそちらに集まってしまいますからね。そこで解決できる程度の悩みであれば、WEBサイト訪問まではされなくなります。

一方で、商品を買いたい(buyクエリ)とか何かネクストアクションを考えている(doクエリ)のユーザーに関しては、AIで即解決して離脱する層はそもそも購買や問い合わせにはつながりにくいので、実はビジネス面での影響はそこまで大きくないとも考えられます。

知識・一般論はAIにまとめられやすいですが、その先の具体的な事例や解決策は実際のサイトやサービスを見ないといけない場面も多いはずです。

「インサイドセールスの研修をやりたい、どこの会社に依頼しようかな」などの具体的ニーズがあるキーワードであれば、AIモードが入り口になってもユーザーがサイトへ来てくれるはずなんです。AIの回答だけでは解決できないので。

結果的に、サイト全体のアクセスはknowクエリの影響で減るはずなのですが、コンバージョン数やリードの獲得数は意外と変わらない、ということが起こりうるわけです。

今年世界的にSEOが強かったHubspotのアクセスが激減しましたが、自社のサービス購入につながるキーワードでは落ちてなかったので、売上的な影響はなかったという話があります。

そういう感じで、そもそも売上に遠いキーワードでアクセスが減ってもあんまり関係ないと言えます。

過去には、知識系キーワードや定義系キーワードでも「ブランディングになるから」と投資を続ける経営者が多かったのですが、それなら今は動画やSNSの方が効果的かもしれません。SEOで名前を覚えてもらうより、YouTubeなどで直接見てもらう方が視聴者の記憶に残りますからね。

SEOでサイト名や著者を覚える…というのは、今はもうあんまりないですよね。

ただし、Googleはユーザー数が圧倒的ですし、早かれ遅かれ日本でもAIモードが従来のSERPsに置き換わる可能性は高いです。そうなると、ユーザーが検索結果ページだけで完結してしまうのか、サイトまで来てくれるのかをキーワード単位、作成するコンテンツ単位で真剣に考える必要があります。

これまでは「リンク先を提示する」のがGoogle検索結果の役割でしたが、AIモードでは「AIによる回答」がメインの提供価値になり、リンク先はあくまでプラスαの存在になりかねません。

そうなると、AIモード時代のWEBサイトは、自社は「解決策を持っているページを作れるのか」どうかです。

情報のキュレーション、まとめサイトの役割だけならAIができてしまうので、価値が低下します。そうすると、まとめページではなく、自社が解決のソリューションを提供できるか、ここが本質的に大事になると。

まとめサイトではなく、実際に課題の解決策となるサービスを提供している事業者が作るページが生き残る、という流れが予測できますね。

Googleは今でも実際に事業をやっている実態のあるWEBサイトが信頼性の強さから上位表示されやすい傾向にあると思います。こういう流れと「AIモード」は同じ方向性で、より事業サイトの方が恩恵を受けやすいかなと考えます。

h2:「AIモード」にはどう対応すべきか

では具体的に、「AIモード」にどう対応していくべきか。

ポイントとしては「生成AIを使うのは良いが、メインコンテンツ(MC)である本文に独自性を持たせる」ということになります。

そのサイトにしか書いてない情報があれば、ユーザーはわざわざAIモードの検索結果からサイトまで飛んできてくれるでしょう。

独自性がユーザーも求められれば、ドメインが弱いサイトでも、関連性さえあればAIが拾ってくれる可能性があります。ドメインパワー頼みの時代よりは逆にチャンスが増えるかもしれません。

検索キーワードのボリュームが小さいとか、まだ他社が記事を作っていないという理由で諦めるのではなく、「誰かが知りたいと思いそうだ」と判断できるトピックなら積極的に発信していく。そのコンテンツをAIが発見して、唯一無二の情報として拾ってくれます。

あとは図解も有効になってくるかもしれません。AIモードでは、回答に画像や動画も出力結果に入れたとしても、あくまでメインはテキストです。

そのため、テキストでわかりづらいクエリであれば、読者はAIモードのSERPsからサイトまで飛んでくる可能性がUPします。

図解の画像が引用されてAI回答に表示される可能性もあるため、そちらからクリックされるかもしれません。

h2:独自性以外でAIモードを意識して対策できること

ほかにも「AIモード」を意識してできる対策はいくつかあります。

h3:コンテンツがAIに引用されやすい形になっているか確認する

まずは、コンテンツがAIに引用されやすい形になっているか確認することです。

見出しをしっかりつけて、その見出しの答えを本文できちんとまとめる。従来の強調スニペット対策にも通じますが、「〜〜とは何か?」という問いに対して「〜〜とは、こういうものです」と端的にまとめる段落を用意しておくと、AIが引用しやすいはずです。

なお、参考までにですが、海外のケビン・インディグ氏のレポートによると、AIに引用されるページは、そのAI回答文とのテキスト類似度が高い傾向があるというデータがあります。

相関

言い換えれば、自ページの文章がAIの生成する回答内容と言い回しに近いほど、引用元に選ばれやすい可能性があると。これは、AIがまず回答を生成し、その内容に合致するソースをあとから探すためではないかと推測されています。

h3:AI検索のbotをブロックしない設定になっているか

次に、「AI検索のbotをブロックしていないか」もチェックしておきましょう。

robots.txt(ロボッツテキスト)で「Disallow:/」などの設定が入っていないかを確認しておけば大丈夫です。

まぁ、ここは意図的に以前AIをブロックしようとしていた方以外は問題ないはずです。

h3:最新の情報に更新する

そして最新情報への更新も継続的に行い、更新日やデータの情報源などを常に新しくしておくことも重要です。

AIが回答に使う情報は最新であるほど引用されやすいですからね。

h3:メディアミックスでポジションを取る

今後は、ある程度は自社で発信しても「AIに学習されるために発信する」になる側面は否めないといえます。全部ではないものの、そうなってしまう部分はありますよね。

なので、「コンテンツを作るか」の意思決定のポイントは「AIモードの画面からその先まできてくれるか」であり、自社サイトまできてくれそうなら作る価値が高いです。

逆に、doクエリ、buyクエリ以外の情報発信、業界内でのポジションどりみたいなものはよりSNSに移行するかもしれません。

例えば、車業界でいえば、どんなにAIモードが中古車購入に関する正しい回答をしてくれるようになったとしても、YouTubeでBUDDICAの中野さんの発信を見たいと思います。

でも、例えば車の座席のマットを買いたい時なんかはGoogle使うはず。しかし、それでも中古車買おうと思ったらBUDDICAいっちゃうみたいな、そんな感じになるはず。今後もGoogle対策は重要だし、SNSも重要となります。

h3:自社の業界における権威性も大事

最後に、SEOに詳しい方に向けて少し専門的な考察を入れます。

AI検索は文脈が合えばどのサイトからでも情報を抜き出すわけではなく、同じ情報がある場合は、より権威があるサイトから優先的に抜き出す傾向があります。

そうなると、同じ回答の中で自社が選ばれるためには、E-E-A-Tが重要になってくるわけです。

E-E-A-Tスライド

E-E-A-Tの要素について補足すると、まず「経験(Experience)」は実際に体験した人が書いているか、独自の経験にもとづく内容なのかが問われます。「専門性(Expertise)」は、その分野での知識やスキルが本当にあるのかどうか。次に「権威性(Authoritativeness)」は、専門家や第三者から見ても信頼できる実績や業界内でのポジションがあるかどうか。最後に「信頼性(Trustworthiness)」は、コンテンツ・サイトが信頼されるに足りうるものか、という点です。これらをWeb上で示していく必要があります。

ただ、ここで大切なのは、どこまでのE-E-A-T対策が必要になるのかが、GoogleのAIモード対策を想定した場合と、GPT対策やPerplexity、Gensparkのような他のAI検索に対しての場合とで若干異なるだろうということです。

理由としては、Googleは単にWeb上の情報をまとめるのではなく、長年にわたり蓄積してきた“構造化データ”=「ナレッジグラフ」という情報を持っているからです。

GoogleはWEB上の情報を整理して「ナレッジグラフ」というかたちでデータベース化し、人物や企業、製品といった対象を“エンティティ”と呼ばれる概念として認識しています。そして、それらの関係をマップ化することで、「誰が言っているか」「何に関するものか」といった意味的なつながりを理解しようとしているんです。

Googleは「AIモード」において、自社の持つナレッジグラフなどリアルタイムの信頼情報源をAI回答に組み込むと明言しています。

エンティティとは

エンティティというのは検索エンジンが“一つの固有の存在”として認識する対象のことで、たとえば人物、企業、サービス、場所などが該当します。Googleはこのエンティティ情報をベースに、コンテンツの独自性や実際に経験があるかどうか、さらに著者や運営元が本当に専門性を持っているかまで把握しようとします。

たとえば「SEOに関する情報発信でアネマの廣山晃也は詳しい」という言及がサイトやSNSに多く見られると、「廣山晃也という人物はSEOの専門家である」ということをGoogleがエンティティとして認識し、専門性や権威性を高く評価するようになるイメージです。

さらに「ナレッジパネル」という、Google検索で有名人や企業名を調べると右側などに表示される公式情報のまとめのスニペットがあります。あれが出ているということは、Googleのナレッジグラフ上でしっかり“エンティティとして認識”されていることを意味しています。上場企業や著名ブランド企業など、ある程度の知名度や信頼度が確認できるところは、ナレッジパネルが表示されやすいです。こういった仕組みによって「誰が言っているのか」という権威性をGoogleは深いレベルで理解し、より正確で信頼性の高い回答を提供できるわけですね。

一方で、PerplexityなどのAI検索サービスは、Googleのように検索エンジンを運営しているわけではないので、ナレッジパネルを持っていないはずです。リアルタイム、その日ごとの検索結果やオープンな情報ソースから情報を収集・要約するという仕組みになっています。

もちろん、ChatGPTはBingから引用していて、BingにもSatoriというナレッジグラフがあるので、他のAI検索ツールではエンティティが重要ではないわけではない、間接的には影響しているのですが、GoogleのAIモードほどはE-E-A-T対策が求められず、もう少し文脈一致が重要なんだろうなぁと思いました。

GoogleのAIモードだと、オリジナリティがあっても、信頼性の低いサイトだと引用されづらいとなっていきそうです。

なので、他のAI検索エンジンとは違い、AIモード最適化という観点でいえば、これまでのGoogleと同じように自社のエンティティもGoogleに認識させていく必要があります。
» エンティティとは

自社や運営しているサイトが業界で専門性を持っているということを示すには、講演や書籍の出版、SNSでの言及を増やす、プレスリリースを配信して転載を広げるなど、ブランドを作り上げていく取り組みが必要です。

ブランド力が強ければ、AIモードでの引用もされやすくなると考えられます。エンティティやセマンティック検索の考え方については、半年ほど前に出した「エンティティとは」という動画で解説しているので、よろしければそちらもご覧ください。

h2:終わりに

ということで、今回はAIモードが我々のWEBサイト運用に与える影響とその対策について考察してみました。

まだアメリカで導入されたばかり、日本では未導入なので、どのようなサイトが引用されるのか情報不足の段階ではありますが、これまでGoogleが使っていた技術も踏まえて考察してみました。

実際に今回のようなプラットフォーム側、そして私たちが日々仕事をしている実務側へのAI活用、SEOの戦略見直し・戦略設計を日々ご支援させていただいています。

これからAI時代のSEOをやっていくための体制を作りたい企業様はぜひお問い合わせください。
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